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プロローグ2 心とEQ EQ開発講座

2014.4.29

マシュマロ・テストという有名な実験があります。

EQを日本に広めるきっかけとなった、ダニエル・ゴールマンの

「EMOTIONAL INTELLIGENCE」 翻訳版「EQ心の知能指数」にも紹介されています。

1960年台に、米国のスタンフォード大学で行われたもので、付属」の幼稚園を使い職員の子弟を中心に集めた4歳児を対象にしたものです。

対象となった子ども達が、高校を卒業するまで追跡調査したもので、自制する能力の重要性が端的に判る実験とされています。

小部屋に4歳児を座らせ、目の前のテーブルにマシュマロが一つのった皿を置く。

そして、観察者がしばらく不在にする間、マシュマロを食べるのを我慢できたら、

戻ってきた時に、褒美にもう二つマシュマロをあげると伝えて、小部屋を出る。

そして15分程度一人にして観察するというものです。

様々な反応がありました。

部屋の中を動きまわる子、寝た振りをする子、触ったり、匂いをかいだり、

持ち上げてみたり、・・・・・・・でも、結局、我慢できるかどうか、二つに一つ。

明白な結果となるわけです。

我慢できたグループと我慢できなかったグループ。

追跡調査の結果、この二つには明確な差が認められたと報告されています。

我慢できたグループの方が、学業成績も良く、社会性能力も高かったのです。

これは情動に関する本格的な研究の先駆けと言えると思われるのですが、

この情動の活用に関する研究成果が、いかに「強くてたくましくてしかもしなやかなこころ」を作ってゆくかに役立つと考えられるのです。

それは、私自身の多くの経験からも言えるのです。

もっとも情動に関する本格的な研究はまだ歴史も浅く、半世紀にも満たないようです。

心理を扱う研究者達は、なかなかつかみどころがない情動に関しては

科学的に真正面から扱うことを、敬遠してきたようなのです。

そんな状況を変えたのが、1983年に発表された、ハワード・ガードナー博士のMI理論だともいわれています。

MI理論というのは、Multiple Intelligences の略で、多重性知能論といわれています。

それまで、人間の持つ知能は、IQとして測定できるような、言語に関する能力や数学に代表される論理に関する能力だとされていたわけですが、

ガードナー博士はもっと広く捉えるべきだと主張されたのです。

上記の能力以外にも、音楽的能力や身体活動的能力や、また空間把握能力も別の能力として知能に加えるべきで、

さらに心内知能とも呼べる自らの心の状態を知る能力や対人関係知能とも呼べる、

良好なコミュニケーションを構築するのに不可欠な、

他人の情動の変化をつかみとる能力も知能としてかぞえるべきだと主張されたわけです。

その後、最後に挙げた二つの知能をまとめて、人格知能と捉え直し、更に研究を

進めたのが、ピーター・サロベイ博士やジョン・メイヤー博士で、やがてお二人は

共著で、以前紹介しましたが、「 Emotinal Intelligence 」を発表されるわけです。

お二人共何回か来日されていますが、私は幸運にも、別々の機会ですが、

お二人に直接お会いしてお話を伺ったことがあります。

EQの可能性や人間の知能の可能性を、極めて積極的に語られる姿に感動したのを覚えています。