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2012.2.29
私の通っていた幼稚園は、たしか、高崎市立第二幼稚園という名前でした。
塀も柵も無い園庭の奥には、線路があり、その向こうには畑がだだっ広く広がっていたはずです。
その奥に高崎ハムの大きな看板があったと記憶しています。
看板があった所は少し高台になっていたようにも思えます。
その方角から一日中「フンガーフンガー、ギャアーギャアー」という動物の声が聞こえていました。
豚のなき声だと教えられていたと思います。
キャベツ畑やねぎ畑。菜の花の畑も思い浮かびます。
その向こうには、小さな小川が流れていました。
めだかやおたまじゃくしがいる、きれいな川でした。
その名前も無い小川を少し辿って行くと、「大川」という名前の、もう小川とは言えない、ちゃんとした川がありました。
正式名称は「長野堰」だったような気がします。
学校に通うようになってから「長野堰」と習った川が「大川」だったように思うのですが、もしかしたら別物かもしれません。
何故その川にこだわるかと言いますと、その川はとても不思議な川だったからです。
何が不思議かといいますと、ときどき、川の流れ全体が真っ赤に変わるのです。
それはそれは、こども達にとっては壮大な景色でした。
誰かがが絵具を流してるんだとか、上に染物をする人がいるんだとかいろいろ子供同士で推理していました。
そのうち、ある日、突然、私の中で毎日聞こえている豚の泣き声とその川の赤が繋がってしまったのです。
強い衝撃の中で、長い間しくしく泣いていました。
「なんで泣いているんだ」と問い詰められても説明のしようが無かったのを覚えています。