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EQの開発②方法論その11 EQ開発講座

2012.6.14

パニックに陥った状態を説明する時に、比較的解り易いと思われるのが雷の例えです。

雷が落ちて停電になってしまった状態というのは、子供たちもイメージし易いようです。

脳の一部分が異常に興奮してしまい、脳全体が正常に働かなくなった状態を指すのですが、

専門的には、扁桃核と言われる部分が異常興奮して、思考に不可欠なワーキングメモリーが機能しなくなった状態と説明されます。

なんでこんなことが起きるのかと言うと、人間がこれまで生き抜いてくるのに必要だったからだと言われます。

行動を生み出す情動の変化は、通常、感覚器官等からの情報を基に

人類が突出して発達している大脳新皮質と言われる部分で行われる思考や評価に導かれる形で、

大脳辺縁系と言われる部分が反応して起きるとされています。

実はこれ以外に、緊急システムのような仕組みを、私たち人類は持っているのです。

それは、通常ルートとは別の、感覚器官等からの情報を、大脳辺縁系が直接入手する裏ルートのようなものです。

この仕組みによって、普段とは比べ物にならないような速さで情動の変化が起き

素早い行動が生み出されます。

これは、爬虫類からアカゲザル、そして人類へと連なる系統進化の中で受け継がれてきたルートと考えられています。

自分の生命が脅かされるような緊急事態では、逃げるか隠れるか攻撃するか素早い行動が要求されます。

そのために、ある種の限られた情報に対しては、この緊急システムが作動する訳です。

ではどんな情報で作動するのか?

それは、大脳辺縁系の底の方にある、扁桃核に貯蔵されている、緊急事態の時の情動(例えば驚愕・恐怖・激怒など)の記憶に何らかの関連がある情報です。

扁桃核には、様々な情動の記憶が、情報(認識された出来事や事実)と繋がった形で貯蔵されているのです。

扁桃核は緊急事態だと結論付けると、緊急事態を知らせるサイレンを鳴らし脳全体を、危機に対応できるように、掌握してしまいます。

サバイバルには非常に有効なシステムですが、一つ問題があります。

それは扁桃核の認識力があまり正確でないということです。

つまり、貯蔵している記憶と関連があるかないかの判断が、個人差もありますがどうも相当アバウトらしいのです。