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EQの開発②方法論その13 EQ開発講座

2012.6.24

まず落雷の予防です。

つまり、扁桃核の誤作動をいかに防ぐか、という事になります。

それには、大きく分けて二つの対策が考えられます。

一つは扁桃核の過敏なところの修正です。

誤作動する度に、後でその時の状況を再現し、緊急警報の発令は必要ではなかったとしっかり納得するのです。

以前、何回かお話しましたが、ここでも、「書く」という作業が非常に有効です。

どんな場面で、どんなことを考えて、または、どんな感じがしてパニックになってしまったのか。

その後どのように脱出したのか。

これでもう、同じことが起きる心配はない、安心だ。

実際、安心感や落ち着きの情動の中で書き終えるようにするのです。

私の経験上、日記のように何らかの形で文字に出来た子は、例外なく改善が見られました。

もう一つの対策は、大脳新皮質、特に前頭前野と呼ばれる部分の機能を強化することです。

大脳新皮質は大脳辺縁系としっかり神経回路で繋がっており

したがって、辺縁系の底のほうにある扁桃核とも、繋がっています。

その回路を使って、新皮質は情動反応を適切にコントロールしている訳です。

ですから、誤作動は、このコントロール能力の働きが不完全だったから、とも評価でき、

この能力を高めることができれば、誤作動も防げることになります。

どうすれば機能を高められるのか。

ここで以前お話した三つの要素の二番目に挙げた、価値観・思想の強化に密接に関連してくるのですが、

パニックのきっかけとなった、悲観的な見方や否定的な考え方の吟味を行うのです。

そして、まだ結果が出ていないことに対しては、希望を持って積極的に取り組んだ方が結果は良くなる可能性が高いし、

心配したり悲観したりしても状況が改善されることはないし、結果は悪くなるばかりであるということを

しっかり頭に刻み込むのです。同じような場面に遭遇する度に、この価値観、この考え方を呼び覚ます努力をしていくのです。

時間はかかりますが、必ず進歩はあります。

経験上、もちろん個人差もありますが、指導者が言い続け、本人がこの事を忘れず実行し続ければ確実に変わっていきます。

このように自らが手に入れたい自分を手に入れていく過程は、即ち、EQが向上していく過程でもあるのです。

なんと頼もしい、力強い姿ではないですか。

「フロー」については次回になってしまいました。