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2012.5.29
まず、心の仕組みについての基礎知識を身に付ける、という事ですが、
私たちは肉体に対する情報に比較して、心に関しては驚く程無知ではないでしょうか。
学校教育でも家庭教育でも、しつけや道徳の面からのアプローチくらいしか心に関しては注意が払われていないのが現状でしょう。
しかも、このEQ開発講座の最初の方でお話したように、私が小学生の頃、父から叱責されたごとく、情動に関しては初めから、ただ敵対的な情報がほとんどなのです。
極端な話、情動なんて邪魔になるだけだから、常に力づくでねじ伏せられるようにすることが肝心で、それが身に付いた者が強い人間であり、
心についてそれ以上、あれこれ考えるのは無駄である、という主張がまだまかり通るかもしれないのです。
ですから、一つには文化の問題ともいえますが、感情の動きを表情や体の動きに表してはならないという教えにも繋がっていくわけです。
では、心に関する基礎知識とはどんなものを指すのかですが、改めて、具体的に詳しくお話していきますが、ここで一つ例を挙げておきましょう。
例えばこんな場合です。
普段の授業や塾内テストでは優秀な成績を修めているのに、大きな模擬テストなんかになると、突然、とんでもない低い点数を取ったりする子は珍しくありません。
面談すると、解けそうもない設問を見たとたん、頭が真っ白になってしまったとか残り時間がもう十五分しかないと思った途端、
焦ってしまって、その後のことはよく覚えていないなどと訴えます。
こういう子供たちは、共通して、情動に対して自分は全くの無力だと思い込んでいます。
私はまず「君は悪くもないし無力でもない。ただ知らないだけだ」と伝えます。
そして、これは中村天風先生のご著書から学ばせていただいたものですが、
君とは何だ?
と問いかけます。
少々時間をかけて話していくと、案の定、肉体か心かということになり、心だと結論付けてきます。
そこで天風流に、心も肉体も君の部分でしかない。
肉体も心も君が生きてゆくための道具でしかない。
だから、心も肉体と同じように、疲れたら休ませるし、傷んだら手当しなければ
ならないし、手足と同じように、上手な使い方もあることを教えます。
そのためには、心の動き方・働き方を少し知らなければならない、ということになり
まず情動の起こるからくりを教えます。
そのからくりとは、から次回にします。