中学受験・高校受験・大学受験・帰国子女を含む英語教育全般および
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2012.8.4
今回から、EQの開発に役立つと思われる、心理学や脳科学の基礎知識を、私の経験から必要最低限選んでご紹介していきます。
以前、EQの開発に役立つ基礎知識の例として、情動の変化は事態の変化に伴って自動的に起こるのではなく、
本来、その前に何らかの評価が行われている、というお話をしました。
これを知ることにより、情動に支配されているという無力感からかなりの方が解放されたと思います。
シックスセカンズの話もご紹介しましたが、子供たちがこうした知識を身に付けることは非常に有益です。
是非どんどん教えていただきたいと思います。
今回は思考と情動の関係です。
二十世紀の心理学の世界では、行動主義という考え方が主流で、情動についてはほとんど手付かずだったようです。
扱いづらいものとして、ほとんど無視されていたようなのです。
しかし現代ではEQ理論はもとより、多くの研究者が情動について研究し、情動が思考と協働しているということに関しては、争いがないようです。
特に、認知過程での情動の働きを研究している研究者達は、情動が思考に与える影響について、一定の共通見解を出しているようです。
それは一言で言えば次のようになります。
前向きで積極的な情動が継続していると、新しくおもしろい考えを思いつき易く、帰納的問題解決がうまく行く傾向がある。
反対に、後ろ向き若しくは否定的な情動が支配している状況では計算結果や誤字脱字のチェックなど、
細部にこだわる作業がはかどり、演繹的問題解決がうまく行く傾向がある。
いかがですか?
こころ当たりがありますか?
イケイケどんどんのやる気満々の時やルンルン気分の時は、企画立案の好機だということです。
子供たちも、試験に向かう時は、基本的にはポジチィブな姿勢が好ましいと言えます。
しかし、ケアレスミスが多い子は、逆に少しネガティブな方がいいということになります。
ケアレスミス克服のために、このカラクリを説明して、悲しい思い出や大失敗した情景を思い出させてから
問題に取り組ませたりした私自身の実験では、予想を上回る結果がでていました。
何回か繰り返す内に、どうも、その子その子、自分流のコツを会得していくような感じでした。
もちろん、全然変化しない子もいましたし、却って反対の傾向を示す子も出てきたりしましたが、やってみる価値は十分にあります。
この心理学上の知識は是非活用すべきだと思います。
まず、みなさんご自身で試されることをお勧めします。
ポジティブ、ネガティブの使い分けは、以前パニックの克服のところでお話しましたが、
言葉でも映像でも音楽でもなんでもいいですから自分専用のデータベースを作っていけばOKです。