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EQの開発③楽観志向を高める工夫 EQ開発講座

2012.9.19

楽観性に属する代表的な 情動としては、感謝・誇り・希望・楽しさ・喜び・安らぎ・関心・やる気・敬い・愛情などが挙げられています。

ですから、こうした情動をより多く体験することが、楽観志向を高める事に繋がると言われます。

また、これまで何度か触れてきました、ころの復元力(Resilience)は、こうしたポジティブな情動を多く経験した人ほど高くなることが実証されています。

ではどうしたらポジティブな情動を経験する機会を増やせるのでしょうか。

これもこれまでに何度か触れたと思いますが、「情動の変化は、降って湧いてくるようなものではなく、実は驚く程コントロールできる」ことが実証されています。

ほとんどの情動の変化は、遭遇した出来事によって自動的に引き起こされるのではなく、その出来事に対する見方・捉え方によって惹起されることが判っているのです。

以前にもこんな例を挙げたと思います。

隣の友人が突然あなたの頭をポカリと叩いたとしましょう。

自動的にあなたは怒りの嵐に襲われすぐに反撃に出るでしょうか。

そんな場合もあるかもしれませんが、その行為の意味あいによっては親しみや感謝や安らぎや希望までも感じられるかもしれません。

ということは、ポジティブな情動を惹起する、見方・考え方が鍵になるということになります。

つまり、ポジティブな情動を呼び起こす呼び鈴があるということです。

この呼び鈴に関して、研究者は、「誰でも、自分なりのパターンを持っている」と指摘しています。

さまざまな出来事に対して、見方・感じ方・考え方の癖を持っているというのです。

そして、まず、その癖を知ることが重要だと教えています。

例えば、あなたが時間に関して厳しい考え方を持っているとします。

電車の遅れや予定のずれは、すぐに怒りや不満の原因になります。

つまり、ネガティブな情動を引き起こしやすくなる訳です。

そんな時、その状況を何とか積極的に評価して、ネガティブな情動が起きるのを防止し、同時に、ポジティブな情動を呼び起こす工夫を薦めています。

上に挙げた例で言えば、その遅れやずれが何かの役に立つとか、何らかの良さ・プラス面を見出す努力が有効だというのです。

こうして、日々、ポジティブな情動をより多く経験することにより、楽観志向が強まり、物事に対する感じ方や捉え方が積極的になり、

考え方も視野の広い積極的・肯定的・楽観的なもになり、そのこと自体が、また、より多くのポジティブな情動を呼び起こす、

という上昇スパイラルに入っていくというのです。

素晴らしい研究成果だと思いませんか?

鍵はポジティブな情動を呼び起こす呼び鈴です。

この呼び鈴を確かなものにするということは、即ち、EQ理論で言うところの、情動の調整や管理をする能力を向上させることになる訳です。

ところで、ここで疑問が湧きます。

ポジティブな情動を経験すればする程よいのでしょうか。

際限なく楽観志向を高めることが有益なのでしょうか。

次回はこの疑問に関する研究をご紹介し、あわせてさらに積極志向・楽観志向に関わる知見をご紹介していきます。