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EQの開発③楽観志向を高める工夫Ⅲ EQ開発講座

2012.9.29

今回は私自身が実際に指導を受け、以来実践してきた方法をご紹介します。

きっとみなさんの中の何人かには、私と同様もしくはそれ以上に役立つと信じて疑いません。

ですから、くどいようですが、だめで元々、効果があったら一生ものなんですから、是非試していただきたいと思います。

最初は、以前ご紹介した、城野宏先生から教えていただいた内容です。

当時、大久保にあった城野経済研究所に伺っていたのですが、毎回新聞等の報道記事を渡され、「情勢判断」をさせられました。

そこで思考方法を一つ一つ注意されていくのですが、実はその思考方法の改善が、心の安定に役立ち、正に悲観志向を防止する妙薬だったのです。

当時「思考方法の整備」と言われて、5項目にまとめられ、高弟の方々が教材にまで仕上げられていました。

その教材の目次に沿って概略をお教えしますと

1 常に中心点を明らかにし、中心・骨組みで考える

  戦略戦術を峻別する

2 立場・観点を整理し、多角度から考える

3 確定要素を基に考える

4 行動の繋がりを追い、具体的に考える

5 常に両面とも考え、どちらが主流かも考える

いかがですか?

ちょっと何のことなのかお判りにならない方がほとんどだと思います。

私の会社では、初心者研修の中で、ずっとこうした城野先生伝来の能力開発を行ってきましたが、最初はほぼ全員が、 ちんぷんかんぷん状態です。

この中味について一つ一つ説明を加えたい思いもありますが、本題から遠く離れてしまいかねないので、この際省略させていただきます。

要は、一喜一憂し、落ち込むことの多い人は、目的・目標が不明確なまま細かな議論に終始してしまう傾向があり、

いつも物事の一部しか見ないで考えを進めてしまう傾向があるようなのです。

また、確定的でない事(うわさ・憶測・単なる推測・印象・思い込み・仮定など)に拘泥してしまうと、

いたずらに心配したり、落ち込んだりして、暗い気分に支配され易くなってしまうのです。

私が個人的に、最も救われたのは、主流・支流の捉えかたでした。

城野先生曰く。

「新聞などのマスコミにとり扱われるものは目立つ事柄である。

目立つ事というのは、少数派、支流がほとんどである。

したがって、主流は別のところにある。

情勢判断はその別のところにある主流に基づいておこなわれなければならない。」

これを日常に引き直して考えてみると、自分の失敗を悔んだり、先行きの危険に気を揉んだりすることは、その失敗や危険に捉われている可能性が高い。

何故捉われたかというと、その事柄が目立つからだ。

何故目立つかというと、それが、支流に属するからで、主流は別のところにあり、ほとんどのことは、うまく運んでおり、あたふたする必要などない。

となる訳です。

これで一呼吸おくことができ、不毛な悲観志向に走ることなく、本来の自分を堅持することが出来たと思うことは数多くあります。

次にご紹介するのは、行徳哲男先生の教えです。

私は三十代前半だったと思いますが、先生のセンシティブトレーニングを受けました。

合宿制の、ある意味(参加した人でないとなかなか解らないと思います)結構ハードなものでした。

そこでの教えの中心は、私なりの解釈では、獣のもつ、たくましさを取り戻し男男しく(雄々しく)生き抜く姿だったと思っています。

先生は、獣の強さは、彼らが時間軸を持たないところにあると喝破されました。

したがって、我々が最も強さを発揮できるのは、「今・ここに」自分のすべてを注ぎ込めた時だ。

別の言葉で言えば「前後裁断」だと言われました。

禅宗の言葉なのか先生自ら作られた言葉なのか判りませんが、入たくこの言葉が気に入り、以来私はこの「前後裁断」を大事にし、随分助けられてきました。

苦しい時、悲しい時、情けない時、怒り狂っている時、不安に苛まれているとき。

そうしたネガティブな情動が渦巻いている最中でも、この言葉のおかげで、人との会話を楽しんだり、食事を楽しんだり、就寝前のプラスイメージ作りにも取り組めました。

残念ながら、今回ご紹介した内容は、子供たちへの指導には正直向かないようです。

最低高校2・3年にならないと理解できないようです。

大人になって、難題に直面した時などが、伝えるには好機かもしれません。

「笑うことの効用」にも触れたかったのですが、長くなってしまったので

次回に回します。

また、今回分を書いている間に思い出した、楽観志向をめぐる、教え子とのドラマがありますので、あわせて次回書かせていただきます。