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EQの開発③楽観性を身に付けるⅡ EQ開発講座

2012.8.29

楽観性を身に付けるためには、まず言葉の力をしっかり認識する必要があるようです。

「言霊」という言葉がありますが、これは、一般的に言葉に宿ると信じられてきた霊的な力を表すようですし、

「愛語よく回天の力あり」とは、昔からずっと語られてきた格言です。

実は、こうした主張を裏付ける科学的な証拠や、それに基づく理論が、最近どんどん世に現れ、

「言葉に私達の心を変える作用があるというのは、現在の脳科学の常識である」と言い切る脳科学者は少なくありません。

それでは言葉に関してどのような注意を払えばよいのか、これから順次お話していきますが、

まず、これまで何度かご紹介したセリグマン博士のメソッドに触れたいと思います。

この方法は多くのエビデンスもあり、完成されたものといえるでしょう。

特に子供たちには有益だと思います。

私もかなりのケースで試みましたが、もちろん全部ではありませんが、成果は上がったと言えます。

日本人の子供用に少しカスタマイズする必要を感じ、今努力しているところです。

さてその内容ですが、最初のキーポイントは、私達の自分に対するつぶやきです。

私達は朝から晩まで頭の中で、通常日本語で考えています。

同時に、絶え間なく自分に対して日本語でつぶやいています。

例えば、何か忘れ物に気づいたときに

(しまった!またやっちゃったよ。まずいぞ、こんどは。大事になるかも。どうしよう)とか、

予想外に良い点数が付いた答案が返ってきた時に、

(やったやった。これが俺の実力なのさ。低い点だと思って損したな。この程度の結果はいつでも出せるんだ。)とか。

楽観的・積極的・肯定的な見方・考え方と、悲観的・消極的・否定的な見方・考え方とは、

このつぶやきの集積の結果だと説明されます。

ですからまず、この自分自身に対するつぶやきの存在に気づく必要があります。

どうですか?

今、意識してみて下さい。

思い出してみて下さい。

感じたり、捕まえたりできるでしょう?

特に、物事の原因をどう考えるかという時に発するつぶやきが重要だとされます。

まず自分の関与の度合い。

そして、影響が及ぶ時間的広がりや空間的広がり。

好ましい出来事に対して。

たまたまラッッキーだったのか、自分の力による当然の結果だったのか。

一時的な現象で、すぐ消失してしまうのか、ある程度期待される期間継続するのか。

それぞれ、前者が悲観志向に結びつき、後者が楽観志向に結びつく訳です。

好ましくない結果について。

たまたま悪い条件が重なりアンラッキーだったのか、自分の能力の低さや性格の悪さのために当然起きたことなのか。

すぐ望ましい状態に戻すことができるのか、それとも、悪い状況はしばらくまたは、長い間続くのか。

こんどは、前者が楽観志向につながり、後者が悲観志向につながる訳です。

仮に何か失敗したとしても、

たまたまだよ。注意さえすれば今度は絶対にこんなことにはならない。

自分にも責任はあるけど、不可抗力の部分もある。

それにこんな状態は長くは続かない。すぐ元にもどるさ。

と心の中でつぶやくのと、

どうして自分ってこうダメなんだ。

こんなことじゃ、一生同じ事の繰り返しになっちゃうぞ。

もうこの状態からは抜け出せそうにない。諦めるしかないな。

とつぶやくのとでは雲泥の差があります。

しかも、毎日、朝から晩までです。

でもこうした蓄積も、入れ替えればよいのです。

先程指摘しました原因や範囲に関するつぶやきを、本日ただ今から入れ替えていけばいいのです。

誰にも遠慮はいりません。

自分の、一度しかない、貴重な貴重な人生なんですから。

この世で自分しか知らないつぶやきを、これまでと違うものに、どんどこ変えていけばいいのですから。

もちろん、初めから、私は十分楽観志向であると自覚できる方ならそのままをキープすることで充分でしょう。

お子さんも楽観志向の確率が、以前説明したように高いはずですし、

万一悲観的なものが感じられるようでしたら、

つぶやきの捕まえ方と入れ替え方を教えてあげればいいのですから。

つぶやきの入れ替えの最も効果の高い方法として、つぶやきの入れ替えを目的とした日記が挙げられています。

できるだけ毎日、その日の出来事を思い出し、同時に、その時どんな事を考えたか、またつぶやいたかも思い出します。

そして、悲観につながる考えやつぶやきに対しては、徹底的に反論するのです。

考えれるすべてを総動員するつもりで、できるだけ沢山の証拠を探すつもりで。

そして、できれば最後に、将来についての希望を書かせます。

自分はこう変わり、近いうちにこんなことをやり遂げたい。などと。

最後に補足しておきたいことがあります。

私の拙い経験からでも申し上げられるのは、悲観的な子供に対して

今までお話ししてきたことを実行させるためには、自分を責め、自分を追い詰める、自分自身の存在に気づかせることがとても大事だということです。

次回はさらに言葉の力を掘り下げ、楽観性を確立していきたいと思います。