中学受験・高校受験・大学受験・帰国子女を含む英語教育全般および
教材の出版とテスト会の運営、EQ育成などトータルサポートする田島教育グループ
2012.8.9
今日はどうも朝からイライラして仕方がない。
昼ごろから原因不明で落ち込んでいる。
勉強しなければと思うのに、手に付かない。
何故か今日は、なかなか集中できない。
などと、情動の調整が突然うまくいかなくなる事があります。
誰でも経験する、ごく自然な症状といっていいでしょう。
こんな時に役立つ脳科学の知識があります。
まず第一は、小脳の働きに関するものです。
小脳は運動機能を調節する働きがあるそうです。
大脳による大まかな運動指令を、細部に及ぶ微調整を加えた情報に変えて、各部を動かす。
ここでEQに関して重要なことは、小脳が活発に働くと、情動の働きを弱めてしまうというところにあります。
つまり、運動すると、情動の影響を受けにくくなり、気分の改善が期待できるということになります。
このことから、最初に挙げたような、一時的なEQの不調による情動の調整不良の時は、
とにかく体を動かしてみることが有効だと考えられます。
みなさんも論より証拠。
すでに経験済みだと思います。
ただ理論的に納得し、確信をもって活用してきたとはいえないのではないでしょうか。
ここでも指摘しておきますが、個人差は常につきまといます。
不調になる頻度、回復の経過など、どうしても個々人の気質の影響はあるようです。
しかし、この小脳と情動との関係はほぼ証明されているようですから、活用しない手はないはずです。
散歩でもジョギングでいいですし、竹刀やバットを振ったり、
シャドウボクシングとかカラオケなんかもいいかもしれません。
但し、短時間でOKです。
小脳が活発化すれば、すぐに情動の悪影響は弱まるといわれているのですから、
気分が快方に向かったら、本来の仕事なり勉強に早く復帰すべきでしょう。
ストレス対策としても応用できます。
勉強中、「解けない。解らない。」と自分に腹を立て、セルフコントロールが失調してしまい、
大声を上げてものを投げたり、壁を蹴ったりたたいたり、泣き出したりする子供の相談はいやというほど受けてきました。
親御さんは、相当あわてている場合が少なくありません。
気でも触れたんではないか、自分が子供をおかしくしてしまったんではないかと言って、飛び込んでこられることもありました。
まず、自分に腹を立てるなんて、なんてりっぱな子なんでしょう。
と私はお話しします。
自らの目標なり、理想形があって、自尊心がなければ、そもそも腹が立つなんてことは起こらないはずなんです。
問題はストレスをどのように解消するかなのです。
そして、壁に穴が開いたり、物が飛んだりしない、もっと安全な方法を考えましょう、と提案します。
行き詰ったら、町内を一周してくる。
犬を散歩させる。
家の買い物をさせる。
壁打ちのサッカーやテニスやキャッチボールをする。
駐車場にバスケの籠を設置して、数分一人バスケをやる。
お母さんがダイエットのためにと、通販でかったランニングマシーンで走り込む。
起き上がり子法師人形を殴ったり蹴ったりする。
本当にカラオケの設備を設ける。・・・・・・・・・。
すべて実際にあった対策です。
EQ理論もなかった何十年も昔、私は新聞紙を丸めてガムテープで止め、紙製の刀を何本も作り、塾のあったビルの屋上で
男子対女子でチャンバラを制限時間一分でやらせていましたが
(今はもちろんこんな事は許可していません。念のため。)
ストレス対策としては非常に効果的だったと記憶しています。
テレビゲーム・ファミコン系はだめです。
私は絶対と言いたいのですが、個人差は否定できないので強く反対しておきます。
では、体を動かせない時はどうするか。
万事休すなのか。
大丈夫。
ちゃんと対策は考えられるのです。
脳の仕組みは本当に不思議です。
その方法論と、脳科学上のもう一つの情報については次回にします。