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2013.1.19
新聞配達の仕事は、実に新鮮で強烈なものでした。
本当にまだ、新聞を配った家々の臭いも蘇えってくる感じさえします。
垣間見える、生活習慣の差、貧しさや豊かさの差は一目瞭然でした。
辛い思い出もあります。
雨の日には何度も同じ失敗をし、黒川さんにミミズ腫れが出来るほど、腹や背中やお尻を小竹で叩かれました。
配達が進むと、配った分だけ量が減っていくので、自転車に積んである新聞の締め付けが弱くなっていきます。
ですから、何度もゴムひもでの締め付け具合を確認しなければならないのですが、
どうしても疎かになってしまい、「ドサッ」という、新聞が落ちた音を聞いて、やっと締め直すようなことをしていた訳です。
雨が降ってさえいなければ問題にはならないのですが、雨の日にこれをやってしまうと万事休すです。
新聞は水浸しの泥まみれです。
販売所に戻って新しい新聞と交換して、落としてしまったところからやり直しです。
学校に遅刻しないために、無我夢中で自転車を漕いだものです。
私のやってしまった失敗にはもう一つ別のものがありました。
これは、さすがに、始めたばかりの頃だけだったと思いますが、「あーこれで今日も終わった」とホットしながら、残り部数を見ると、
予定より一部とか二・三部多い時があるのです。
そうです。
どこかで配り忘れたのです。
配達帳を一枚一枚めくりながら、間違いなく全軒配ったはずなのに。
予備にいれておいた部数をオーバーしているのです。
どの家を配り忘れたのかを探るには、正確に自分の記憶を辿るか、全軒しらみつぶしに廻り直さなければなりません。
初めての時は記憶を辿りながら、一軒一軒確認して廻り、突き止めましたが、
学校には遅刻してしまいました。
それ以後は、この種の手落ちに関しては、叩かれるのを覚悟で、苦情で未配先が判明するという筋書きで通しました。
そしてその年の暮れ、念願の、五段変速機付きの自転車を手に入れたのです。
忘れもしません。
高崎駅西口近くにあった、「イシヅカ」という店でした。