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2013.9.20
まず一つ有益なのは、自分の存在自体が雄大な連鎖の上に成り立っているという自覚を呼び覚ますことです。
以前にも触れたことがありますが、予備校での歴史の授業で、私は大きな衝撃を受けたことがあります。
担当の佐々木という講師が、日本史の最初の授業で黒板に、2の70乗と大書され、それを今すぐ計算せよと言われたのです。
真面目に計算に取り組む奴もいましたが、それは極少数で、ほとんどの学生は傍観を決め込んでいました。
計算を始めた奴も傍観を決め込んだ奴も、みな、答えはとんでもなく大きな天文学的数字になるということは知っていました。
あまり時間をおかず、佐々木先生は、とんでもない程大きな数になるのはここに居る優秀な諸君なら一瞬で判ったと思うが、問題はその数の意味だ。
そして、この時間は日本史の授業のはずだから、日本史とその数との関係だ。
誰か判る者はいるかね?
挙手はありませんでした。
人間は平均して、遅くとも三十歳くらいまでに子供を産んできた。
つまり三十年で一世代と数えられる。
日本の歴史を考えた時に、確かな資料が残っている期間だけを考えても二千百年はある。
ところで、子供が一人生まれるのに、必ず父と母の二人の人間が必要だ。
だとすれば、何らかの重複などの細かな誤差はあり得るとしても、今ここに居る君たち一人一人存在するのには、
それぞれ、先のような膨大な数の人間の存在があったことの証なのだ。
君たちはこの雄大な連鎖の一つにしか過ぎないし、前後をつなぐ重要な一つとも言える。
次回に続きます。