中学受験・高校受験・大学受験・帰国子女を含む英語教育全般および
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2013.6.10
そんな中で、まだメジャーでない先生方も、大先生達に負けじと熱心な授業を実践されていました。
奥井先生の英語なんかは特定のファンがついていて、超満員ではありませんでしたが、いつも席に余裕はありませんでした。
先生はよくサマセット・モームについて話されていましたが、今でもその内容をよく覚えています。
懐かしさに浸ってつい少々脱線してしまいました。
子供たちに話していた先生は実はこうした先生達のことではなく、受講生もそれ程多くはなく、
地味な授業をされていた、確か清泉女子大の教授で名前は、高橋某だったと思います。
古文担当でした。
何故か私は、その高橋先生に魅かれるものがあり、欠かさず授業に出ていたのですが、
ある日突然、先生は元特攻隊員だったと告白され、「白への回帰」というお話しをされたのです。
出撃直前に終戦となり、生き延び、無気力状態のまま過ごす毎日が続き、ある日練兵場を歩いていたら、
ナズナの白い小さな花を見つけ、しゃがんで花を間近に見た途端、涙があふれてきて何時間も止まらなかった。
この時、ほんの一瞬自分の白を感じたと言われました。
死を覚悟しようとする日々。
自分を納得させようとする日々。
正直は話、先生にとってはどうしても、無駄死という思いから逃れることはできなかったと言われていました。
次回に続きます。