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EQの開発⑤価値観・思想の強化-進歩・向上に価値を置く-9 EQ開発講座

2013.6.15

高橋先生の「白への回帰」の話を紹介し始めているのですが、残念なのは、

その告白が突然のものだったとはいえ、きっかけになった古文があったはずなのに、その授業でどんな古文がテーマだったか、全く記憶にないのです。

和歌だったような気もするし、あるいは方丈記とか、平家物語とか・・・

それだけ「白への回帰」の話が、当時の私にとって強烈だったのだとも思います。

人間は生まれた時は例外なく、色で例えれば白である。

成長するにつれ、様々な経験を積み、様々な色に変化してゆく。

しかし、死を迎える時には、誰も皆、白に回帰する、というお話しでした。

出撃も決まり、死の覚悟を醸成させていく中で、自分の心が回帰してゆく様を感じていたと言われました。

そして、どこに回帰していたのかを認識し実感できたのが、練兵場でのナズナとの出合いだったそうです。

生き延びることができた喜びや、友を失った悔しさや、自らの無力さへの悲しさ。

戦争への憤り。そして正に無常感と呼ぶべき深い落胆。

そういった心は確かに沸き起こってきたけれども、それは丁度海面のさざ波みたいなもので、こころは海そのもののように、すでにどっしりと落ち着いていた。

それは非常に素直で無垢なものだった。

だからナズナの存在に、胸打たれたのだと思う。

人は必ずへ回帰できる。

私は体験を通して確信した。

だから何物も恐れず、臆することなく、これからの人生を歩んで欲しい。

そういう意味では、大学入試なんて色の数に入らないかもしれない。

何故なのかは判りませんでしたが、私を含め聴講していた生徒の大半は勇気を授けられたようでした。

次回に続きます。