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2013.6.15
高橋先生の「白への回帰」の話を紹介し始めているのですが、残念なのは、
その告白が突然のものだったとはいえ、きっかけになった古文があったはずなのに、その授業でどんな古文がテーマだったか、全く記憶にないのです。
和歌だったような気もするし、あるいは方丈記とか、平家物語とか・・・
それだけ「白への回帰」の話が、当時の私にとって強烈だったのだとも思います。
人間は生まれた時は例外なく、色で例えれば白である。
成長するにつれ、様々な経験を積み、様々な色に変化してゆく。
しかし、死を迎える時には、誰も皆、白に回帰する、というお話しでした。
出撃も決まり、死の覚悟を醸成させていく中で、自分の心が回帰してゆく様を感じていたと言われました。
そして、どこに回帰していたのかを認識し実感できたのが、練兵場でのナズナとの出合いだったそうです。
生き延びることができた喜びや、友を失った悔しさや、自らの無力さへの悲しさ。
戦争への憤り。そして正に無常感と呼ぶべき深い落胆。
そういった心は確かに沸き起こってきたけれども、それは丁度海面のさざ波みたいなもので、こころは海そのもののように、すでにどっしりと落ち着いていた。
それは非常に素直で無垢なものだった。
だからナズナの存在に、胸打たれたのだと思う。
人は必ず白へ回帰できる。
私は体験を通して確信した。
だから何物も恐れず、臆することなく、これからの人生を歩んで欲しい。
そういう意味では、大学入試なんて色の数に入らないかもしれない。
何故なのかは判りませんでしたが、私を含め聴講していた生徒の大半は勇気を授けられたようでした。
次回に続きます。